院長ブログ
昔は超ストレス、しかし今では超ハッピーなアトピー外来

昔は超ストレス、しかし今では超ハッピーなアトピー外来

ぼくは20年前の開業以来、アトピー性皮膚炎治療にずっと力を入れてきました。   でもそう言いながら昔は重症のアトピー患者さんがやって来るとそれはそれはストレスでした。 なぜならアトピーの重症例では当時のステロイド外用療法だけではどうにもこうにもコントロールが効かなかったからです。 今の治療を思えば当たり前とも言える結果ですが、残念ながら当時は治癒に導く方法が全くといってなかったのです。   重症の方ではどんなに説明してもどう工夫してもうまく治りませんから、結果的に患者さんが「病院じゃ治らないから」と言って非医療にすがってしまうことも多くありました。もちろん非医療では治るはずもありません。大金をせしめられた挙句、余計に悪化して入院、という悪循環の患者さんも多くいました。   また当時のアトピー外来ではステロイドはもう嫌だと言って泣かれたこともあるし、治療を拒否して外来を勝手に飛び出して行ってしまう患者さんもいました。 その度に医療者としての無力感を感じることも多くありました。   その状況を変えたのが2018年に発売されたデュピクセント注射です。その効果は絶大で、50年治らなかった重症アトピーの患者さんがツルツルの肌を取り戻したのを見た時は涙が出るほど嬉しかったことを今でも覚えています。

デュピクセントの後もJAK阻害薬や他のバイオ製剤が次々に発売され、今やアトピーはお金はかかるもののどんなに重症でもほぼコントロールが可能な病気になりました。   結果、あんなに昔ストレスだったアトピー外来は、いまや治せる雰囲気で満ちた幸せな外来になったことを申し添えておきます。   重症アトピー性皮膚炎の治療については外来でご相談ください。      

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