今日も咲くらで

院長ブログ

2024.07.09

にきび治療

診療室から

マラセチアを疑って治していくと、短期間でニキビがコントロールできることが多い

【1枚目】

背中の赤いぶつぶつが治らない、背中のニキビが治らない時はマラセチア毛包炎かも。 

【2枚目】

マラセチアを疑って治していくとかなりの時短になり、2週間とか3週間といった短期間でニキビがコントロールできることが多い

【3枚目】

マラセチアは皮膚に常在する真菌(カビ)の一種。常在していますから洗っても完全に消えることはありません。

背中の赤いぶつぶつが治らない、背中のニキビが治らない時はマラセチア毛包炎かも。

背中ニキビは通常のニキビ治療を行なっても治らないわけではありませんが、背中のニキビを通常のニキビ薬のみで治すと4週間から6週間程度かかる場合が多いです。しかしマラセチアを疑って治していくとかなりの時短になり、2週間とか3週間といった短期間でニキビがコントロールできることが多いです。ちなみに外用抗真菌剤のニゾラールクリームは効果弱め。ほとんど効く印象がありません。抗真菌剤内服の方が圧倒的に効果があります。内服はイトラコナゾールとミノサイクリンの併用が基本。色素沈着やめまいがおきるようならミノマイをロキシスロマイシンに変更でもよろしいです。

マラセチアは皮膚に常在する真菌(カビ)の一種。常在していますから洗っても完全に消えることはありません。マラセチアは皮脂を栄養として生活しています。ホルモンによる皮脂の分泌増加に伴って増えたり、汗かく時期に増えたり、ステロイドやプロトピックの誤用で増えたりします。マラセチアはいつもそこにいますので相手を正しく理解してお付き合いすることが大切です。

1枚目。背中のニキビの訴えでこられた方。マラセチア毛包炎と診断し、ミノサイクリン内服とイトラコナゾール内服21日で略治しています。色素沈着はありますが、赤い皮疹はなくなっています。皮疹が平坦になったら過酸化ベンゾイル軟膏で維持します。

2枚目。顎下のニキビ。顎下はホルモンが関与していることが多く、治りにくい場所ですが、マラセチアを疑いミノサイクリンとイトラコナゾール併用でわずか15日で略治しました。

3枚目。365nm紫外線ライト(ウッド灯)による観察。オレンジ色はアクネ菌が作りだすポルフィリン。アクネ菌30個に対しマラセチアは1個存在すると報告されています。すなわちポルフィリンが多いとマラセチアも当然多くいる、と考えられます。

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