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院長ブログ

2022.08.29

診療室から

新しい光線治療器、ウシオ電機UVA-1がやってきました。

新しい光線治療器、ウシオ電機UVA-1です。

光線治療とは患部に紫外線を当てて、有害な細胞を排除して過剰な免疫反応を抑えることにより疾患を改善させる治療のことです。

 

光線治療は現在、アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、尋常性白斑、掌蹠膿疱症、類乾癬、円形脱毛症などで保険適応になっています。

 

当院にはひいふうみい、、すでに7台もの光線治療器があり、尋常性白斑や円形脱毛などの難治性疾患治療に日々活躍しています。(XTARC、VTRAC、セラビーム、セラビームスリム、セラビームUV308mini、ターナブ、ダブリン)

 

そしてさらに上記のUVA-1が追加されました。

 

たぶんこんなに光線治療器を持ってるのは日本で僕だけのはず。だってこれで8台目ですもの。変態的モノ好きなんでしょうねぇ。いや単なる収集癖か…。

 

これまでに導入した機械はUVBという紫外線域の波長を出す機械ばかりでしたが、今回のUVA-1はUVA波長を出す機械です。

 

光線治療の歴史的にはUVAの方が先なのですが、以前のUVA治療では、光線の吸収を高めるための内服を行なったり、外用を行なったりとなかなか手間のかかるものでした。このため手技が簡便で照射時間が短いUVB機器が開発されると治療の流れはそちらに行ってしまいました。現在ほとんどの皮膚科ではUVBでの治療を主体に行なっているものと思われます。

 

さて、この度導入したUVA-1はUVA機器でありながら以前のように内服や外用が必要なわけではありません。手技はとても簡便です。患部にあわせてスイッチを押すだけです。

 

UVA-1は365nmの波長を発振します。通常のUVB機器が出す波長が308-312nmですからだいぶ長い波長です。波長が長いと光線は深部に達することができますのでUVA-1では比較的深部にある病変への効果が期待されます。

 

すなわち皮膚に厚みがある部分の疾患、例えば手掌の湿疹病変や円形脱毛症などに有効と考えられます。実際に自験例でもUBVではなかなか改善しなかった手掌の湿疹が改善したり、XTRAC(最強UVB)を照射しても発毛がなかった円形脱毛症が改善したりしています。

 

UVA-1の欠点は照射時間が長い(10分ー15分。出力による)ことと、色素沈着を起こしやすいこと、あと照射部位が熱を持ちやすいので冷却が必要であること(扇風機使用)です。

 

UBV機器にはない効果を持つUVA-1。たくさん使ってまた症例を報告したいと思います。

 

今日も頑張りましょう!

 

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