院長ブログ
2022.08.19
徒然日記
がんになった緩和ケア医が語る「残り2年」の生き方、考え方
今日の表題は本のタイトルです。著者は関本剛 医師。緩和ケア医です。
緩和ケアとは、これ以上の治療が難しくなった終末期の患者さんに対し、いかに平穏な最期を迎えさせてあげられるかを担当する医療のこと。
緩和ケア医である彼は今年の4月、末期がんのため45歳の若さで亡くなりました。
彼は僕の高校時代の音楽部(うちの学校では吹奏楽=音楽部と言います)の後輩です。僕が高校3年生の時の中学1年生。かわいい後輩でした。
この本は「終末期医療を担当する緩和ケア医がある日突然、末期がんを宣告された」というくだりから始まります。
自身がある日突然末期がんと診断された衝撃、緩和ケア医としての仕事のこと、自分の家族の将来、色々な思いが交錯する中で最後まで自分らしく生きようとした姿勢とともに緩和ケアという非常に繊細な医療の内容を自身の末期がん患者としての体験を交えて書いてあります。
人生の終わりをどう過ごすのか、もしもあと少しの命だと宣言されたら。日本人の1/2はガンになり、1/3はがんで亡くなる時代、苦悩したら、いや苦悩した時のためにもぜひ買って読んでいただきたい本です。
お盆に亡くなった剛ちゃん(ここからはこう呼びます)のお別れ会をやります、という後輩からの声がけがあり参加してきました。彼の同学年の有志が呼びかけ、当時の音楽部(吹奏楽部)の先輩や後輩などたくさんの面々が集まり追悼の演奏会をやりました。剛ちゃんは生前、自分のお葬式でエルガーの『威風堂々』を流してほしい、と言っていたこともあって、みんなで「威風堂々」を合奏してお別れ会を締めくくりました。
彼の生き様は色々な人に影響を与えたと思います。僕の今日の仕事にももちろん。
毎日前向きにしっかり生きる。彼の書いた本を読むとずっと彼に励まされているように感じます。
今日からまた一生懸命頑張ります。ありがとうな、剛ちゃん。
お別れ会の様子は記事にもなりました。
https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202208/0015562541.shtml
https://news.yahoo.co.jp/articles/9eac180353ae4a40f750d7203ae8650e34a2e60d
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