今日も咲くらで

院長ブログ

2022.07.05

診療室から

虫に刺されるとどうなる?

虫に刺されるとどうなりますか?

 

もちろん答えは「腫れて痒くなります。」です。当たり前。

 

腫れて痒くなる、と言う現象には免疫反応が関与しています。平たく言うとアレルギー反応です。

 

アレルギーが発症するには、最初に「感作」と言って体内に入って、そのアレルゲン(アレルギーの元)に対する免疫応答が起きることが前提です。感作の時点では通常症状は発生しません。そして感作により免疫応答が完成しますと、2回目に同じアレルゲンが入ってきたときに激しく反応がおきます。これがアレルギー症状です。痒くなったり腫れたり、気分が悪くなったり呼吸がおかしくなることもあります。

 

夏の外来では虫刺されの相談がとても多いのですが、

 

生後まもない赤ちゃんが虫に刺されてもほとんど腫れません。どういうことかというと、この場合はまだこの世に出てきてまもないので虫の毒に対する感作が成立していないので腫れない、と考えることができます。そして次に刺された時にその人固有の免疫反応に応じて強く腫れたり弱く腫れたりします。

 

また蜂に刺されてすごく腫れてくる人と、無症状の人がいます。蜂にはそう滅多に刺されることがないと思いますので、こちらも初回に刺された(と推定される)方は全然腫れないと考えることができます。

 

僕は蚊に刺されるととても腫れて嫌な思いをする方なのですが、最近少し変化してきました。蚊に刺されても以前よりひどく腫れなくなってきたのです。

 

毒虫研究の大家、夏秋優(なつあきまさる)先生によりますと、

虫の毒に対して感作が成立するまでは腫れない、2回目からは腫れる、そしてたくさん刺され続けると最後は免疫寛容と言って虫の毒が入っても免疫反応が起きなくなる、だそうです。

なるほど。確かにご老人の虫刺され症状ではあまりひどく腫れているのを見たことがありませんし、たくさん刺されていてもとても痒そうにしているのを見るのは少ないように思います。

 

ということは僕もそろそろ最終段階に近くなってきたということ。ま、歳をとったと言うことでしょうね。

少年老い易く学成り難し。

身につかない割には歳だけはちゃんと取りますよね。ホントに。

いつまでも勉強は必要です。

 

さて皆さんは虫に刺されたらどうなりますか?

 

今日も頑張りましょう!

 

 

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