今日も咲くらで

院長ブログ

2022.03.19

尋常性疣贅・いぼ

診療室から

イボが全然治らない。通院しているのにイボが治らない。その悲惨な結末。

他のクリニックで4年間もイボを液体窒素で焼いているが治らない、という学生さんがやってきました。

 

4年?おかしいな、と思いつつ患部を見ると水疱ができるほどしっかり液体窒素が当てられていています。

 

水疱やカサブタを取り除くとそこにはフレッシュな組織が出てきます。つまりイボは「ない」ということ。

 

でも本人はそのカサブタを指して、ここが治っていない、というのです。このカサブタは治っている組織だよ、と教えてあげると

 

そこのクリニックの看護師さんは毎回カサブタを見て「まだ治っていないから液体窒素やるね」と言って当てるそうです。

 

医者は毎回診るの?と聞くと、医者は見てない、というのです。それどころか最初診ただけで1度も顔を出さないと言います。

 

「え?」

 

そこは処置は看護師任せになっていて看護師が患部をパッと見て「まだ治ってないねー」と言いながら液体窒素を当てる、というのがルーチン。

 

しかも担当看護師の知識が完全に誤っているようで、単なるカサブタをイボ組織と勘違いしてずっと処置を続けていたようです。

 

ウイルス性のイボは血管を持っていますが、その末端は閉塞していてカサブタのように黒く見えます。ですからイボはわずかに黒く見えることが多いのですが、今回のケースでは液体窒素で焼いたところに発生したカサブタをイボだと誤解されてずっと焼かれていた、というのが真相のようです。

 

医師が診察しないで行われるずさんな処置。

 

それで4年間も。

 

患者さんもよく我慢して通っていたと思います。

 

 

話は少し変わりますが治らないイボはどうするか。難治性のイボに出くわすことはよくありますが、治りが遅い場合は当院ではおよそ通院10回を目安に処置方法を再考しています。

 

ウイルス性のイボは液体窒素処置だけでは全てに対応できません。イボ処置はたくさんの処置方法を持っている方が勝ち。

 

多くの病院は処置点数(2100円)のつく液体窒素処置を好みます。理由は簡単。そりゃあお金もらえた方がいいからです。

でもカネがもらえる処置に固執したらイボは絶対治らないです。

 

当院では7つ道具、というほどたくさんの処置方法を持っています。まず1つの処置法を選択して治療をすすめていきますが、ある一定の時間が経過しても治らない場合には別の処置に切り替えています。

 

数ヶ月で見直すべき処置もあれば1年くらいで見直す処置もあります。

 

イボをきちんと治すのはとても難しいです。看護師任せでやるようなちょろい仕事ではありません。

 

そこのクリニックの医師には猛省していただきたいと思います。

 

当院は不誠実な治療や不必要な検査をやる病院が大嫌いです。

(前にも豊田のクリニックを実名で書いたら某医師会からゴニョゴニョ言われたことがありましてね。笑)

ついでに医者も大嫌い。

 

あれ。変ですか?

 

今日は午後から珍しく学会出席のために休診です。頑張っているスタッフのみんなも休ませてあげないと。

 

そして来週からは春休み突入です。混雑必至。頑張ります。

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