院長ブログ
2021.07.16
とびひ(伝染性膿痂疹)
とびひがずっと治らない。→だいたい診断が違います
とびひと言われて2ヶ月ずっと治療しているけれど治らない。
こんな相談がしょっちゅうきます。
とびひとは伝染性膿痂疹と言って、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌といった体表面に存在する細菌が皮膚に侵入し発症する病気です。
とびひでは皮膚表面に水疱やかさぶたができており、多くの場合水疱がやぶれてビチャビチャしています。
体表面の細菌感染ですので治療は比較的簡単。原因菌に対応する軟膏や内服をすれば治ります。
当院では平均3日か4日程度で治していることが多いです。
ただしMRSAのような薬剤耐性を持った細菌感染によるとびひでは少々治りにくい傾向にあります。
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最初に戻りますが、それにしてもとびひで2ヶ月はないです。
実は、上記の治らないとびひの正体は、単なるかき壊した湿疹であることがほとんどです。
かき壊れてびちゃびちゃした部分をとびひと誤診されていることが多いのです。
とびひではやわらい水疱やカサブタが発生しますが皮膚に触れるとほぼ平坦であることがわかります。
一方で治らないとびひと言われているものを触りますと表面はぶつぶつやぼこぼことしています。これは「湿疹」の特徴。
表面がボコボコしているとびひはほぼないです。(湿疹を引っ掻いて発生したものを除く)
あと、治療薬剤の選択についてですが、いまだにゲンタシン軟膏orゲンタマイシン軟膏をお使いの施設がありますが、
現在この薬の主成分であるゲンタマイシン硫酸塩に対する耐性菌が多く存在していまして、かなりの確率で効かなくなっていることも知っておかれるとよいかと思います。
また内科系に多いのですが抗生剤内服の工夫でとびひを治療しようとする考えの医師がおりますが、とびひは体表面の病気ですので内服ではなく外用剤を工夫するだけであっという間に治ります。
とびひ治療においては内服ではなくて外用が大切と申し上げておきましょう。
1週間以上こじれているとびひで悩んでいたらご相談くださいね。
今日も頑張りましょう!
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