今日も咲くらで

院長ブログ

2021.03.17

アトピー性皮膚炎

ステロイド

アトピー治療の基本は外用療法にあり。

デュピクセントやシクロスポリンなどアトピー性皮膚炎を強力に改善させるお薬がたくさん入手できるようになってきました。

 

しかしアトピーの治療において最も基本になるのは現在でも「ステロイド外用剤」であることは変わりません。

 

しかし皮膚炎を治すのにステロイドを拒否される方が今の時代でも時々います。

 

皮膚炎の下ではリンパ球という細胞が無数に集合して炎症を起こし続けています。

 

皮膚炎の治療にはこのリンパ球の制御が最も重要になるのですが、

 

リンパ球の制御を行うには塗り薬では現在のところ「ステロイド外用剤しか」ありません。

 

他にプロトピック軟膏やコレクチム軟膏というステロイドではないお薬もありますが集まりすぎたリンパ球を制御するには全く力が足りません。

 

強い皮膚炎を制御する方法はたったひとつ、ステロイドしかありませんのでステロイドを拒否されると他の手がありません。

 

唯一の治療法を拒絶してしまってその上で病気を治してくれというのですからそもそも無理な話です。

 

当然おまじないでは皮膚炎は治りませんので私たちとしては残念ながら「こちらでは手の施しようがありません」と言うほかありません。

 

このような患者さんは何か悪い情報に引っ張られてしまってこの世に存在しない治療法を探しつづけるのですから気の毒です。

 

まあ、いったい誰がステロイドをこんな悪者に仕立てあげたんでしょう?このような患者さんを見るにつけいつも怒りが湧いてきます。

 

ステロイド拒否の方でも普通の外用薬を処方して普通の塗り方を指導してあげるとたった1週間でこんなにツルツルになります。

 

怖いくらい効くからやっぱり怖い薬だ、とか難癖をつける人がいますが、

 

頭痛に対して決められた量の鎮痛剤を飲むときちんと痛みが引くように、外用薬も通常量を正しく使うとこれくらい短期間で綺麗に治ります。この効果は異常に早いわけではなく、これが「普通の」状態です。

 

いや、むしろこれくらいきちんと治るようにお薬を処方できなければ医者としては判断が悪いでしょう。

 

アトピーに限らず各種の皮膚炎治療において適切な強さのお薬を使うことが完治への第一歩です。

 

あまりに皮膚炎の治りが悪い場合にはお薬の見直しが必要です。通常ステロイドは効きが悪ければ強さを上げていきます。

 

強さを目一杯上げても効果が得られない場合、時にステロイドの中止を検討しなければなりません。実はステロイドが効きそうで効かない皮膚炎が時々あるのです。

 

しかしここらへんの判断は経験がモノを言いますね。ですからいつも失敗なく治せるよう毎日修行しています。

 

僕も毎日勉強です。

 

がんばります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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