院長ブログ
2021.02.22
アトピー性皮膚炎
デュピクセント
アトピー性皮膚炎の三位一体論。アトピーのひどい痒みに効くのは?
日曜日はいいお天気でしたが、午前からは参加すると決めていたオンラインセミナーに参加。
今回はアトピー性皮膚炎についてのセミナーでした。もちろん最新の情報&治療を得るためのセミナーです。
アトピー性皮膚炎の病態について近年強調されているのが三位一体論。
これはなんのことかといいますと、アトピー性皮膚炎は免疫の異常、皮膚バリアの異常、かゆみの異常の3つの要素が互いに複雑に絡み合って起こる病気である、という考え方のことを指します。
すなわちアトピーとは従来のように「アレルギーが原因で〜」というような短絡的なものではないということ。
アレルギーの改善を追い求めてもアトピーはちっとも改善しない、ということを知ってくださればよろしいかと思います。
「痒み」についても重要なコメントがありました。
アトピー性皮膚炎はめちゃくちゃ痒くなることが多い病気です。
ですからあちこちの病院で「痒み止め」と言われるものを処方されます。
当院ではほぼ出していません。なぜなら「ほとんど効かない」から。
昨日のセミナーでは通常の痒み止めが効かない理由が解説されていました。
従来、痒みの原因はヒスタミンという物質と考えられていました。ですから痒みには抗ヒスタミン薬というものを処方することが多いです。
ところがアトピーの痒みはヒスタミンの関与が少ない、ということがわかっています。つまり抗ヒスタミン薬は効果が少ないのです。
ヒスタミン以外の物質としてはインターロイキンIL-4,IL13という物質が痒みに強く関わっていることがわかっています。
IL-4,IL13を抑えるお薬はステロイド内服、免疫抑制剤、さらにデュピルマブ注射です。
ステロイド内服は副作用などの問題が多いので現実的には「免疫抑制剤」や「デュピルマブ注射」を使います。
私たちは痒みのひどい患者さんたちには抗ヒスタミン薬ではなく上記の2つを多く使っています。
現在様々な研究によりアトピーの病態が次第に明らかになってきました。
理論に即した治療を心がけますと今まで治らないと嘆いていた病気も次第に改善していきます。
アトピーがなかなか治らない、アトピーの痒みで困っている方がいらっしゃいましたらぜひご相談くださいませ。
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