院長ブログ
2021.02.15
アトピー性皮膚炎
デュピクセント
今やアトピーはお金を払えば治る時代?
にっ当院では2003年の開院以来重症アトピー性皮膚炎の治療を積極的に行なっています。
10年前からは免疫抑制剤の一つであるシクロスポリン内服を導入し、約3年前からはIL-4/IL-13モノクローナル抗体であるディピクセント注射を導入して治療にあたっています。
当院におけるデュピクセント使用量は実に年間800本以上にもなります。
この3年間のデュピクセントの治療経験から感想を述べますと、デュピクセントは重症アトピー患者さんにとってはまさしく福音。
どんな重症例でもほぼ改善してしまいます。
とは言っても100満点のお薬ではありませんね。でも85点くらいは付けられます。
なぜ85点か。
長年の研究でアトピー性皮膚炎の病態はかなりわかってきましたが、まだ少しの部分が解明できておらず、その部分へのお薬がまだできてないですので85点なのだろうと考えています。
でも十分合格点である85点を付けられるお薬ですから、デュピクセントを使えばほとんどの方は痒みが驚くほど軽快し、正常な皮膚にどんどん戻っていきます。
マイナス点を言うとすればその価格でしょうか。
昨年の価格改定でだいぶ値下がりし、3割負担の方では1回約2万円ほどになります。デュピクセントは基本2週間ごとの注射です。
しかし多くの方は痒みが止まってくると2週間から4週間程度開けて注射を行なっています。これは経済的な問題だろうと推察しています。
またデュピクセントは自己注射ができます(文字通り自分で打つ)。
自己注射の場合は注射を処方という形になり、最大限処方しますと高額医療費制度(月の上限以上は国が負担)に引っかかってきますので自分の負担がグッと軽減されます。年収にもよりますが1本約2万のところが1.4万くらいになる計算でしょうか。
当院でも自己注射を導入されている方がかなり増えました。
デュピクセントは重症アトピー性皮膚炎の福音でありますが、なんでもかんでも注射できるわけではありません。
保険でデュピクセント治療を行うにはいくつかの条件をクリアしなければ使用できません。
特にステロイドを代表とする標準治療を拒否する人や通院をきちんとしない人には注射の保険適応はありません。(自費なら注射可能です)
標準治療に従って治療を行なってもコントロールができない人向けに使うのがデュピクセントであることを忘れないように。
保険治療とは自分の負担は最高でもたった3割。残りは誰かが払ってくれたお金であることを忘れてはいけません。最高の治療を行うにはまずルールに従うことが大切です。
素晴らしい治療効果を発揮するデュピクセント。
言い過ぎかもしれませんが、もはやアトピー性皮膚炎はお金さえ払えばほぼ治ってしまう、という時代になったのだろうと思います。
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