今日も咲くらで

院長ブログ

2020.05.29

湿疹

診療室から

ステロイドが効かない、ステロイドで治らない背中の痒い湿疹。色素性痒疹では?

先日娘(高一)の友人が外来を受診しました。背中に湿疹が突然出てきてすごく痒いとのこと。

 

最初はLINEで送られてきた写真で拝見しました。かぶれのようにも見える強い湿疹反応です。

 

「なんかにかぶれたんじゃないの?時間があるならうちの外来にきたら?」

 

との話になりました。

 

さて、その友人が外来にきてみると、、

 

 

あ、これは!色素性痒疹じゃないか!

 

色素性痒疹とは、10代から20代の女性によく発症すると言われる発疹です。(それ以外の年代にも発症しますし、男性にもあります)。

 

過剰なダイエットをすると発症する、と教科書にはあります。特に「糖質」に関連することが多いのとのこと。糖質制限は発症の引き金になりやすいようです。

 

重要なことですが、色素性痒疹にはステロイド外用剤は効きません。

 

患者さんに聞くと、最近糖質を完全にオフにするダイエットを始めたとのこと。なーるほど、教科書通り。一致しますね。

 

色素性痒疹は外来を17年やっていて見かけたのは今回で3人目、というくらいレアな病気です。

 

治療はニキビでも使用するミノサイクリンという抗生剤が著効します。本当によく効いて1週間から2週間の内服でウソのように治ります。

 

背中の湿疹で、ステロイドの塗り薬を使っても治らないのであれば色素性痒疹を疑っても良いかもしれません。

 

2年前くらいでしたか、名古屋からはるばるきてくれた男子中学生がいました。やはり背中の湿疹が治らなくて全然塗り薬が効かないからコレなんですか?ってことで。もちろんミノサクリンを処方したら驚くほどすぐに治りました。その子はダイエットとは無関係でした。

 

 

ミノサイクリン投与後2週間↓。塗り薬は使いません。

 

 

ということで、色素性痒疹はダイエットが必ずしも引き金になるとは限りませんのでご注意を。

 

ステロイドを塗っていても治らない背中の湿疹に気づいたらご相談くださいませ。

 

 

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