今日も咲くらで

院長ブログ

2018.10.04

診療室から

週末は北京に。ノーベル医学賞の話。

おはようございます。昨日はお休みでした。ランチに打ち合わせといつもと違うことをしたのですっかりリフレッシュできました。

 

週末は北京まで講演に行くのですが台風の行方はどうなるのやら。少しやきもきしています。

※このため来週9日火曜日は臨時休診になりますのでご注意ください。

 

 

さて、今年も日本人がノーベル賞を受賞しました。人体を守る免疫の仕組みを利用してのガンの新治療の道を開いた、という功績で受賞されましたね。

 

報道を目にした方もいらっしゃるかと思いますが、何がどうすごいかはよくわからなかったのではないでしょうか?ここでごく簡単に説明します。

 

 

今回受賞になった発見は「免疫チェックポイント」と言います。また免疫チェックポイントの発見から作られた薬を「免疫チェックポイント阻害薬」と言います。こちらを頭に入れながら読んでみてください。

 

 

ガン細胞は発生するとすぐに体内の免疫細胞に狙われます。免疫細胞はいつも細胞の出来損ないであるガン細胞を発見し、破壊しようとしています。

 

ところが、ガン細胞に対しては免疫細胞がうまく働かず(壊す作用が働かず)ガンの増殖を許してしまうという現象が知られています。

 

 

免疫細胞の表面には不思議なスイッチがいくつもあります。その中でも免疫細胞をうまく働けなくするスイッチがあり、それを「免疫チェックポイント」と言います。

 

実はガン細胞は免疫細胞が近寄ってきたときにそのスイッチをうまく押してしまうのです。スイッチを押された免疫細胞はふにゃふにゃの役立たずになってしまいます。

 

ではガン細胞がそのスイッチを押せないようにスイッチを隠してしまえば良いのではないか?

 

そうやって作られたのが「免疫チェックポイント阻害薬」です。

 

スイッチを押されなくなった免疫細胞は元気いっぱい!活発にガン細胞を破壊し、ガンが治る、というわけです。

 

このような説明でお分かりになりましたでしょうか?

 

 

免疫チェックポイントの発見は今までにない新たな治療ができるきっかけになり、世界中の人間の役にたったということでノーベル賞が授与されたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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