今日も咲くらで

院長ブログ

2018.08.07

ステロイド

診療室から

ステロイドを使わない病院!?

ある日、手の湿疹で来院された患者さんとの会話です。

 

初診で来院されましたので問診票を読むと、どれどれ…「ステロイドは使いたくありません」と。

 

なるほど、時々いらっしゃいます。ステロイドの悪い面ばかりを見聞きし過ぎてしまった方。いつものようにステロイドの由来や安全性、良い面悪い面等々をお話ししていますと、

 

患者さん:「ここの病院はステロイドを使わない病院ではないのですか?」

 

僕:え?なんですって??

 

僕:どこにそんな情報があるのですか?

 

患者さん:ネットにそう書いてありましたけど。

 

僕:本当ですか?それは何かの間違いでしょう。第一、うちの病院なんて全国で上位何番目ってくらいステロイドをたくさん処方してますよ。

 

患者さん:そうなんですか?

 

僕:そうです。

 

 

まあ、どういう風の吹き回しかどこかに変な情報を流した方がいらっしゃったようでした。ネットこわ。笑

 

まずステロイドは安全で有効なお薬です。と初めに言っておきます。

 

しかしながら全ての皮膚炎がステロイドで鎮圧できるわけではありません。ここのところ重要です。ステロイドを盲信しますと失敗することが多々あります。

 

口囲皮膚炎、毛包虫、手湿疹の一部、等々。

 

他院での難治例を多く診させていただいてきた上で申し上げますと、「ステロイドは道具の一つであって使い方一つで結果が大きく異なることがある」というのが持論です。

 

包丁を使って魚をさばけば刺身が作れます。でも料理人の技量で刺身が美味しくなったりまずくなったりします。さらには包丁で人を刺すのは間違っています。

 

ステロイドも包丁と一緒。

 

使い方ひとつ(塗り方ひとつ)で皮膚炎の治り方は全く異なってきますし、ステロイドを使ってはいけない場面もあります。

 

良い治療ができるかどうかはそこのところを見分けられるかどうかなのです。

 

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さて当院のお盆休みまで外来日はあと2日となりました。駆け込み需要で混雑が予想されますがどうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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