今日も咲くらで

院長ブログ

2018.01.31

ステロイド

湿疹

ステロイドが効かない湿疹。ステロイドを塗っているのにかゆみがひどい。広がってきた。

子供でしばしばおきます(大人はまれ)。

 

「湿疹の治療をしているが治らない。」

「湿疹にもらった薬を塗っているが広がってきた。」

「ステロイドを塗っているが広がってきた、あるいは治らない。」

「お薬を塗っているのにかゆみが止まらない。かゆみがひどい、どんどん広がっている。」

「皮膚に穴が開いているように見える」

 

写真で見せるとこんな状態です。拡大して見ると掻きすぎて穴が開いているように見えます。

 

 

こういう訴えの患者さんをどうするか。僕らの教科書には載っていません。

 

ほとんどのドクターはステロイドを強くする、あるいはそのまま続けさせるのだろうと思います。でもそれでは結果的に治りません。

 

ステロイドが効かない場合どうするか?答えは簡単。ステロイドをやめさせると良いのです。

 

やめさせただけでは芸がないので当院ではステロイドとは違う外用剤を処方しています。早ければ1週間、遅くとも数週間で治ってきます。

 

こう書くとやっぱりステロイドは悪いお薬なんだ、ステロイドを塗っているから治りにくくなるんだ、と短絡的に考える人たちがいます。

 

そうではありません。

 

ステロイドは万能薬ではありません。どんな薬でも適材適所で使えるかどうかが大切です。道具(薬)はなんでも使い方次第。包丁一つとっても野菜を切るのは正しい使い方ですが人を刺すのは間違った使い方です。ステロイドも全く同じです。

 

かゆいから=ステロイド。皮膚科医ならまずそう考えるでしょう。あながち間違いでもありませんがその慢心こそがこの症状を作り上げてしまいます。僕も恥ずかしながらかつてそうであったと思います。信用してきていただいたのに自分の技術のせいで治せなかった患者さんは多くいらっしゃるかと思います。誠に申し訳なく思います。ただし今ならこの症状は必ず治せる、と言えます。

 

ステロイド拒否に走る人の多くは昔ステロイドでひどい目に遭った、ステロイドでは自分の症状は治らなかった、という方達です。

今日紹介した皮膚炎もステロイドを拒否するきっかけになりかねない症例です。ステロイド外用の継続ではまず治りませんから。

 

今日紹介したようなステロイドが効かない湿疹になってしまった方達の次の行動は?と言いますとまずかかりつけのドクターを変えます。おそらくは次のドクターも同じような処方をしますのでまた次のドクターにかかります。次の次のドクターもまたまた同じような処方をするでしょう。そうすると治りません。そうやっていろんな病院を回ります。そしてたまたまステロイドを否定するドクターのところにかかったら?結論をいうと、これはよく治ります。この皮膚炎はステロイドでは治りませんからね。そうするとその患者さんにはステロイド=悪という印象が植え付けられ、一種洗脳のような状態になります。そうしたら最後、僕らがステロイドの有効性をどんなに説いても次からは言うことを聞いてくれなくなります。前にステロイドで治らなかったから、ステロイドでひどい目にあったから、と言ってです。残念ながらこのような不幸を体験してしまった方は現実的に多くいらっしゃるかと思います。それは全て僕ら医師の責任です。

 

私たちはこのようなケースでも早く治るように日々研究し工夫を重ねています。

 

この症例のようにステロイドでは治らない、広がってきた、と困っている患者さんはどうぞ当院までご相談くださいね。

 

※最後に。僕はステロイド否定派ドクターではありませんので咲くらクリニックはステロイドを否定するクリニックではないことをはっきり申し上げて起きます。

またステロイド外用剤は「安全な」お薬の一つだと宣言しておきます。

 

 

 

 

 

 

  • カテゴリー