なぜまだ離乳食を始めてもいない乳児がアレルギーを発症するのか?

今日は赤ちゃんをアレルギーにしないためのアドバイスです。
さて、離乳食を始めてすぐにアレルギー症状を発症する児がいます。
アレルギーは感作と言って、一度アレルゲン(アレルギーのもと)に接触してIgE抗体というものが作られてから発症します。すなわち2度目以降のアレルゲンの接触で発症します。
では離乳食を開始するまでは一度も卵も牛乳も摂取していないはずの乳児がアレルギーを発症するとはどういうことでしょうか?
10年くらい前まではこう考えられていました。
「母親の食べたものが原因で母親の体内でIgEが作られ、胎盤を通じて児に移行する。」
「母乳から卵や牛乳のアレルゲンが出てきて、乳児が飲んで発症する」
現在これらの説は完全に否定されています。
では現在はどのように考えているか。
昨日のブログでも書いたように、
「乳児の皮膚からアレルゲンが侵入してアレルギーを発症する」
という考え方になっています。
特に離乳食前の「乳児期の湿疹の存在」は、アレルゲンが皮膚からより侵入しやすくなり、アレルギーの発症のきっかけとなりやすくなります。
ということで昨日のお話の繰り返しですが、
「赤ちゃんの湿疹は放置しない。」
乳児期の湿疹を放置することでアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息発症のきっかけとなる可能性があります。
昨日の外来でも多数のお母さんたちにお話しましたが、
ザラザラした皮膚は「湿疹」であって乾燥の皮膚ではありません。
これを間違えているお母さんたちがたくさんいるのですね。
ザラザラした皮膚を乾燥だと勘違いして一生懸命保湿剤を塗っているお母さんがたくさんいらっしゃいます。
湿疹は病気ですので保湿剤では治りません。きちんとお薬を外用して治しましょう。特に病気の第一発見者である母親の知識が誤っていると子供達は決して救われません。
いいですか、
「ザラザラした皮膚は湿疹ですよ。乾燥ではありませんよ!」
ザラザラした皮膚を見たら病院にかかりましょうね。
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